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ブタ子の「ちょっと聞いてよ~!」

ブタ子の「ちょっと聞いてよ~!」

フィリピンにおける貧富の差

マニラに留学しているジョニーさんの記事です。

僕が一番の驚きだったのが、同じ社会で暮らしながら、フィリピン人の金持ちと貧乏人の間では、接点がほとんどないということでした。

金持ちの子弟は、幼稚園レベルから私立の学費が高い学校で学ぶことが多いので、友達になるのは、結局同じような経済レベルの家庭の子弟たちということになります。
いったん入学すると、大学までそのままエスカレータ式に行く場合もあるので、奨学金をもらって勉強している一部の貧乏人の子弟くらいしか、接点がないのです。

食事にしても、娯楽にしても、まず行く場所が違うし、貧乏人はそこ行っても高いから払えない。

金持ちは自家用車で移動するため、一般の交通機関は利用しない。
金持ちの子弟に、「いつも送り迎えしてもらっているから、公共交通機関の乗り方がわからない」と言われた。

金持ちが貧乏人と接するのは、まず家の中にいるメイド、職場では清掃員、外では店の店員くらいでしょう。

注目すべきなのが、例え接点があっても、決して同じ立場に立つことはないということです。
例えば、僕の下宿先には大家さんのメイドが何人かいますが、同じものを食べることはなく、食卓も別々です。
メイドは、自分たち用とは別々に料理するのです。
レストランに行っても、運転手は外で待機しているのみで、雇い主といっしょに中で食事を共にすることはありません。
かなりショッキングだったのが、子供の世話係のメイドがレストランの中で子供たちをあやしたり、ご飯を食べさせてあげたりしているのに、彼女たちは決してそこでいっしょに食べることは許されないという事実です。

日本とは文化が違うとはいえ、同じ人間なのになぁー、っと割り切れない思いが込み上げてきました。

僕が付き合いの裕福なフィリピン人というと、同じ学生である場合が多い。
彼らはいわゆる成金の子弟に属する。
親の代で成功し、一財産を築いたケースだ。
彼らはフィリピンでは稀な、中産階級の上の方に属している。
彼らの親のほとんどは高学歴であり、専門職(大学教授職、医者、エンジニア、弁護士、裁判官、政府高官など)に就いている場合が多い。
ファミリー・ビジネスをしている場合も多い。

日本の東大に当たるフィリピン国立大学を出ても、新卒の月給は一万ペソ前後(2万円)。
新車を購入しようと思ったら、日本円で100万以上は必要なので、普通にフィリピンで働いていたらとてもじゃないけど手に入らない。

ごく普通のフィリピン人が中古であれ車を購入する場合は、海外出稼ぎで成した財を投入するが、まだまだ稀である。
彼らの稼ぎは普通、生活費(フィリピンではまだまだ大家族制度が残っているので、親戚の分まで面倒をみることもある)、子供の学費(フィリピンは多産でっせ!平均4人くらいかな)に消えていくからである。
そういえば、貧乏人の友人は、14人兄弟のため、一週間で米袋一袋がなくなると嘆いていた。

ちょっとここで、どうやったらフィリピンで貧乏人と金持ちを見分けられるか、説明してみます。

金持ちは、まず肌の色が白い。
それは白人の血(植民地時代の支配者階級の血筋)が混じっている場合も多く、またいつも冷房が効いている場所で生活しているため、肌のきめが細かく、日焼けしないからである。
私立の学校やオフィスは冷房完備だし、自家用車で移動するから、貧乏人のように常夏の太陽の下にジリジリ照らされることはない。
あと、足首がきれいである。貧乏人の足首は蚊に刺されて、黒ずんでいる場合が圧倒的である。

服装だが、女性の場合、スカートを履いているかどうかがポイントだ。
公共交通機関を利用する場合は、衛生面・安全面(レイプなどを避けるため)みんなジーンズまたはズボンを履いているからだ。
スカートを履いているというのは、自家用車で移動しているという証拠である。
男性も含め、長袖を着ているかどうかもキーポイントである。
長袖を着ているということは、冷房の効いている場所に長時間いるという証拠であるからだ。

アクセサリーだが、貧乏人はとにかく大きくて目立つものを好んで身につける。
貴金属をじゃらじゃら身につけるのは、成金の人たち、日本と同じで、見せびらかしたいのだ。
本当の金持ちはいたってシンプル。
金持ちだとアピールする気もないのであろうが、さりげなく身につけているアクセサリーや小物が高価であるのは、ブランド物に目ざとい日本人には一目瞭然である。

お金持ちはビレッジもしくはサブディビジョンと呼ばれる周囲を壁やフェンスで囲い、基本的に住民以外は出入りの出来ない住宅区域に住んでいる。
ただレベルも色々あって、夜間のみ通りの門が締まって通行ができなくなるビレッジもあれば、訪問先の住民の許可がないと入れない超高級サブディビジョンまで存在する。

また話が横道にそれますが、普通の人が用があってビレッジに入るのは、かなり不便です。
もちろん入り口で身分証明書を見せなければならないし、中に入ったらそこの家まで歩かなければならない。
フィリピンでは炎天下を避けるため、首都圏内ならどんなに狭い通りでも乗り物があって、行く先の場所の前まで乗せて行ってもらうことができるが、ビレッジやサブディビジョンの中には、普通乗り物がないので、タクシーで中に入ることになる。
お金持ちの生活には、やっぱり車が必需品である。

最近有名になったエンタテイメント・スポットには周囲に公共交通機関がなく、車のない僕にとってはタクシーで乗りつける以外なく、大変不便である。
まあそういうところに行くフィリピン人は皆車を所有しているから、新たに交通機関を敷く必要もないのであろう。

フィリピン人の友人といっしょに外食をするときに、それぞれの事情によって、予算が大きく異なる。
普通の食堂で食べれば50ペソ(100円)前後であるが、レストランでは150ペソくらいしてしまう。
僕としては、極力相手の経済事情に合わせて食事をするようにしている。
どうしてもレストランで食べたい場合は、相手の懐がさみしい場合、おごるようにしている。

外出する場合は、相手によって服装も変えなければならない。
それぞれの所得に応じて、行く場所が異なるからだ。
普通の友達と映画を観に行くなら、移動中に汗や埃で汚れてもいいような服装で行く。
お金持ちの友人と出かける場合には、友人の車で移動するため(もちろん行く場所はすべて冷房完備)、ここぞとばかり、お洒落をしてみたくなり、高価な洋服に靴、時計を身につける。
(日本円に直すと、ごく普通の値段になってしまうのだけど。)
行く場所もそれなりの場所だから、適当な格好でいくと、かえって恥ずかしい思いをすることになる。
ただでさえひと目で外国人とわかる僕の外見上、普段は犯罪に巻き込まれるのを避けるため、貴金属は一切身につけず、洗濯のしすぎで疲れたような服を着ている。
だからこういうときくらい、ビシッと決めてみたくなるのである。

いいのか悪いのか、フィリピンではお金でほとんどのものが買えてしまう。
教育、医療サービス、住宅、友人、女性、法に触れるようなことでも、簡単に買収できてしまうようである。

今回はフィリピンの貧富の差について、僕の個人的な見解でお話ししました。
全くの個人的な意見で、特定の集団を中傷するつもりはありません。
頻出した貧乏人という単語ですが、フィリピン社会ではそれほど否定的な意味合いはないので使用しました。


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